税務調査とは?~調査時期と流れ~

2026年3月23日

税務調査は、納税者が提出した確定申告の内容が実際の取引記録や法的な基準に照らして適正であるかどうかを確認するために行われます。

今回は税務調査が実施されやすい時期や一連の流れについて解説します。

 

 

税務調査の連絡が来る時期は?

 

税務調査は年間を通じて行われていますが、実務上連絡が入りやすい時期には一定の傾向が存在します。

これは税務署内の人事異動や事務年度のサイクルが関係しています。

1年のサイクルでみるともっとも調査が活発に行われるのは秋口の8月から11月頃です。

税務署では毎年7月に大規模な人事異動が行われます。

新しい体制が整った直後の8月以降は調査官が新規の案件に着手する時期であり、年間でもっとも多くの通知が発送される段階となります。

次に連絡が多いのが、春先の4月から6月頃です。

3月の確定申告時期は税務署が多忙となるため実地調査は一時的に控えられますが、申告作業が一段落した後のこの時期に、前年度の申告内容に不審な点がある企業へ連絡が入る可能性が高くなります。

 

 

税務調査の流れ

 

税務調査はいきなり調査官が自宅や会社に押し掛けてくるわけではありません。

次のような流れで行われます。

 

 

税務署より電話などで連絡が来る

 

最初の手順は税務署からの事前連絡です。

多くの場合、調査の数週間前に税務署の担当官から電話が入ります。

顧問税理士を契約している場合はまず税理士に対して連絡が行われ、そこから納税者へ共有される一連の流れが一般的です。

この連絡では、調査の対象となる税目・対象期間・実地調査の日程調整が行われます。

日程については納税者の業務の都合を考慮してもらうことが可能であり、繁忙期などで対応が難しい場合は常識的な範囲で延期を申し出ることも認められます。

 

 

書類の準備を行う

 

日程が決まったら当日までに必要となる資料をすべて揃える段階に入ります。

税務調査においてもっとも重要なのは、申告内容を裏付ける客観的な証拠を提示することです。

準備すべき主な書類は、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳といった会計帳簿のほか、領収書、請求書、銀行の通帳、契約書、給与台帳、および棚卸資産の表などが挙げられます。

たとえば、私的な支出と事業の経費を明確に区分できているか、売上の計上時期が正しく守られているかといった点が厳格に精査されます。

近年では電子帳簿保存法への対応も求められており、デジタルデータの保存状況についても確認が行われる場合があります。

 

 

調査日当日

 

実地調査の当日は、通常、午前10時頃から開始されます。

最初は経営者へのヒアリングが行われ、事業の概要やこれまでの経歴、取引の流れなどが確認されます。

その後、具体的な帳簿や領収書の確認作業へと移りますが、この当日の対応において非常に重要な留意点が2つあります。

1つ目は、質問されたことでわからないことは適当に答えないことです。

調査官の質問に対し、記憶が曖昧なままたぶんこうだったと思いますといった推測で回答してしまうと、後から事実と異なっていた場合に虚偽の報告をしたと見なされるリスクがあります。

不明な点については現時点では正確な記憶がないため、事実関係を確認した上で後ほど回答しますと明確に伝え、後日正確な回答を行う過程を選択してください。

2つ目は、調査官が作成した調書にサインをしないことです。

調査の最後に当日の聞き取り内容をまとめた質問応答記録書への署名を求められることがあります。

この書類には法的拘束力はありませんが、サインをしてしまうとそこに記載された内容が納税者の正式な主張として扱われます。

もし自分の意図と異なる表現が含まれていたり事実と違う記述があったりしても、後から修正することが極めて困難になります。

納得がいかない内容であれば、署名を拒否することは正当な権利として認められているため、しないようにしてください。

 

 

調査結果の通知がある

 

実地調査が完了した後、税務署内部での検討期間を経て調査結果の通知が行われます。

申告内容がすべて適正であった場合は是認となり特に追加の納税は発生しません。

一方で、申告漏れや誤りが指摘された場合は、修正申告を行うよう勧奨されます。

指摘事項に納得できるのであれば修正申告書を提出し、不足していた本税に加えて過少申告加算税や延滞税などの付帯税を納める段階へと進みます。

もし修正申告に応じない場合には、税務署側から一方的に税額を決定する更正という処分が下されることになります。

 

 

不服がある場合には異議申し立てをする

 

税務署の下した処分の内容に納得がいかない場合には、法的に異議を申し立てる事が可能です。

これを再調査の請求あるいは審査請求と呼びます。

処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に税務署長に対して再調査の請求を行います。

それでも納得のいく結果が得られない場合は、第三者機関である国税不服審判所に対して審査請求を行う過程へと進みます。

異議申し立てを行うためには、税法に基づいた緻密な証拠と論理的な主張の構築が欠かせない対応となりますので税理士に相談することを検討してください。

 

 

まとめ

 

今回は、税務調査が実施されやすい時期や、調査開始から完了、不服申し立てに至るまでの流れについて解説しました。

税務調査は、正しく申告を行っていることを証明する場ですが、連絡が来ると不安を覚える方もいらっしゃるかと思います。

自力での対応に不安を感じる場合は、税理士に相談することを検討してください。

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