決算の流れと手順を解説
2026年4月23日
決算業務は、企業の経営状況を正確に把握するために欠かせない重要なプロセスです。
一方で、実務の流れや必要な手続きは複雑で、負担に感じる方も少なくありません。
本記事では、法人の決算の基本的な流れと手順について解説します。
決算とは?
決算とは、一定期間における企業の収益と費用を集計し損益を求め、資産・負債の状況を明らかにするための手続きです。
法人の場合、会社法や税法に基づき、1年ごとに決算書の作成と税務申告を行うことが義務付けられています。
決算には、年度末に行う本決算のほかに、期の途中で実施する決算もあります。
事業年度の中間時点で行うものを中間決算、1年を4つに分けて行うものを四半期決算といいます。
本決算はすべての企業に義務付けられていますが、中間決算や四半期決算は主に上場企業などに対して義務付けられています。
本記事では主に本決算の流れについて解説します。
決算の目的
決算は、法律で定められた義務を果たすとともに、企業の経営状況を正しく把握し、外部へ報告するために行われます。
作成された決算書は、法人税や消費税の申告・納税の基礎となるほか、株主や金融機関などの利害関係者への情報開示にも利用されます。
また、経営者が自社の現状や課題を数値で把握し、今後の戦略を検討するための重要な判断材料にもなります。
決算の具体的な手順
決算は主に以下のような手順で進めます。
1. 日々の取引の整理・記帳
まずは、1年間の取引を正確に帳簿へ記録します。
売上や仕入、経費などの取引を漏れなく記帳することが重要です。
日々の記帳が正確であれば、その後の決算作業もスムーズに進みます。
2. 資産・負債の残高確認と棚卸
帳簿上の金額と実際の資産・負債の状況が一致しているかを確認します。
現金や預金の残高、売掛金・買掛金の金額を照合するとともに、商品や材料の実地棚卸を行います。
また、未精算の取引や固定資産の異動も確認し、差異があれば修正を行います。
3. 決算整理仕訳の実施
決算時には、通常の仕訳に加えて決算整理仕訳を行います。
具体的には、減価償却費の計上、貸倒引当金の設定、未払費用や前払費用の計上などを行います。
決算整理仕訳は、期間損益を正しく算出するための重要なプロセスとなります。
4. 決算書の作成
決算整理仕訳まで完了し、試算表の内容に問題がなければ、いよいよ決算書の作成に進みます。
株式会社の場合は、貸借対照表や損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表などの計算書類に加え、事業報告や附属明細書の作成が求められます。
これらの書類は、企業の経営状況や財務内容を示す重要な資料であり、金融機関や株主への説明にも利用されます。
5. 株主総会での承認
作成した決算書は、会社法に基づき所定の機関による承認を受ける必要があります。
株式会社の場合、原則として定時株主総会での承認が求められます。
なお、会計監査人を設置している会社など一定の要件を満たす場合には、取締役会の決議によって承認が行われるケースもあります。
適切な手続きを経ることで、決算内容が正式なものとして確定します。
6. 法人税等の計算と申告書作成
確定した決算書をもとに、法人税や消費税などの税務申告書を作成します。
その後、完成した申告書を税務署へ提出し、納税を行います。
法人の場合、申告・納付期限は、原則として事業年度終了の日から2か月以内と定められています。
この期限に間に合うように、計画的に準備を進める必要があります。
決算をスムーズに進めるためのポイント
決算を円滑に進めるためには、主に以下のポイントを意識することで、負担の軽減と精度向上につながります。
日々の記帳を徹底する
決算直前にまとめて処理しようとすると、領収書の紛失や内容不明の取引が発生しやすくなります。
日々の取引をその都度記帳し、証憑も整理しておくことで、決算における確認作業の手間を大きく減らせます。
結果として、決算時の修正や確認作業が少なくなり、スムーズに決算を進めることができます。
月次でのチェックを行う
月次などで定期的に試算表を確認し、残高や仕訳の誤りをチェックしておくことが大切です。
売掛金や経費の計上漏れなども早い段階で気づくことができ、修正も容易になります。
決算直前に問題や修正が集中するのを防ぐことで、決算作業の負担を軽減できます。
専門家のサポートを活用する
決算や税務は判断が難しい場面も多く、自己判断だけではリスクが伴うことがあります。
税理士などの専門家に事前に相談することで、ミスの防止や適切な処理が可能になります。
また、スケジュール管理や必要書類の整理についてもサポートを受けられるため、安心して決算業務を進めることができます。
まとめ
決算は、企業の経営状況を正確に把握し、外部へ報告するための重要な手続きです。
一連の流れと手順を理解しておくことで、効率的かつ正確に進めることができます。
決算作業について不安がある場合は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。
