2026年9月28日

法人税を滞納すると、延滞税の加算から始まり、最終的には会社の預金口座や売掛金債権などが差し押さえられる可能性があります。

ただし、早い段階で税務署に相談し、猶予制度を活用すれば差し押さえを回避できる余地は残されています。

本記事では、法人税を滞納したときに会社がたどるリスクの推移から、差し押さえを回避するための猶予制度や手続きの進め方まで解説します。

 

 

法人税滞納で発生する差し押さえまでの流れ

 

法人税を滞納すると、会社は段階的に厳しい処分を受けます。

納期限を過ぎた直後から延滞税が発生し、最終的には差し押さえに至る流れを時系列で確認します。

 

 

納期限の経過と延滞税の発生

 

納期限の翌日から延滞税が自動的に加算され、2か月以内は年7.3%と特例基準割合のいずれか低い方が適用されます。

2か月を超えると、年14.6%と特例基準割合に7.3%を加えた割合のいずれか低い方に引き上げられます。

延滞税は日割りで計算されるため、滞納期間が長引くほど負担は膨らみます。

本税に加えて延滞税まで支払う事態を避けるには、納期限を過ぎたと気づいた時点で早めに納付するか、税務署へ連絡を入れましょう。

 

 

電話や文書による納税催告

 

納期限を過ぎても納付が確認できない場合、税務署の納税コールセンターや担当職員から電話や文書で催告が届きます。

催告の段階では法的な強制力はありませんが、税務署側が滞納を把握し、管理対象として記録している状態です。

連絡を無視し続けると、督促状発送へ手続きが進むでしょう。

催告を受けた時点で納付が難しければ、分割納付や猶予制度の相談ができるため、放置せずに税務署の窓口へ出向くことをおすすめします。

 

 

督促状の送付

 

催告を経ても納付がない場合、税務署は国税通則法第37条に基づき督促状を送付します。

督促状の発送は、差し押さえに向けた法的手続きの起点であり、届いた時点で事態は深刻な段階に入ったといえます。

なお、換価の猶予を申請している最中であっても、督促状が届くケースがあります。

届いたからといって猶予申請が却下されたわけではないため、慌てずに税務署の担当者へ状況を確認してください。

 

 

財産の差し押さえ

 

督促状の発送日から起算して10日を経過しても完納されない場合、国税徴収法第47条により、税務署は滞納者の所有物を差し押さえなければならないと定められています。

対象となるのは預金口座や売掛金、不動産、車両など換価可能な資産全般です。

ただし、猶予申請中や分割納付の合意がある場合には、差し押さえが猶予されることもあります。

差し押さえが実行されると事業資金が凍結され、取引先への支払いにも支障が出るため、督促状が届いた段階で対処しましょう。

 

 

法人税滞納で差し押さえを避けるための対策方法

 

差し押さえを避けるためには、滞納が発生した直後から具体的な行動を起こすことが必要です。

税務署の猶予制度を正しく理解し、早期に申請へ動きましょう。

 

 

督促や差し押さえを受ける前に税務署への早期相談を行う

 

滞納が生じた時点で税務署の徴収担当窓口に連絡を入れれば、いきなり差し押さえに進む事態はまず起きません。

税務署側も、納税者が自主的に相談へ来た場合は分割納付の提案や猶予制度の案内を行います。

相談時には、滞納額の把握と今後の資金繰りの見通しを整理しておくと話が進みやすくなります。

連絡もなく放置した場合に比べ、早期相談は税務署との信頼関係を保つうえでも有効です。

 

 

換価の猶予と納税の猶予の対象と要件の違いを知っておく

 

猶予制度には、換価の猶予と納税の猶予の2種類があり、要件が異なります。

換価の猶予は、差し押さえ済みの資産の売却を一定期間止める制度で、延滞税の一部が軽減されます。

一方、納税の猶予は納税行為を先送りにでき、新たな差し押さえや換価処分を受けないうえ、延滞税が軽減または免除されます。

換価の猶予は納期限から6か月以内に申請が必要であり、納税の猶予は災害や病気など特定の事由に該当する場合に限られるため、自社の状況に合った制度を選びましょう。

 

 

猶予制度を受けるための申請手続きと必要書類

 

猶予制度の適用を受けるには、所定の書類を税務署へ提出しなければなりません。

申請に必要な書類と担保の基準を事前に把握しておきましょう。

 

 

提出書類と申請方法

 

猶予の申請には、猶予申請書のほか、滞納額に応じた添付書類が求められます。

滞納額が100万円以下の場合は、収支状況書のみで足ります。

100万円を超える場合は、資産目録と収支の明細書の提出が必要です。

申請書は税務署の窓口で入手できるほか、国税庁のウェブサイトからもダウンロードできます。

記載内容に不備があると審査が遅れるため、税務署の担当者に事前に相談しながら準備を進めてください。

 

 

担保の基準と免除される条件

 

猶予の申請時には原則として担保の提供が求められます。

担保として認められるものには、以下があります。

 

  • 国債や地方債
  • 有価証券
  • 土地
  • 建物
  • 保証人の保証

 

ただし、次の3つの条件のいずれかに該当すれば担保は不要となります。

 

  • 滞納額が100万円以下の場合
  • 猶予期間が3か月以内の場合
  • 提供できる資産がない場合

 

担保を用意できなくても申請しましょう。

 

 

まとめ

 

法人税の滞納は延滞税の発生から始まり、督促、差し押さえへと段階的に進みます。

放置すれば事業継続が困難になるため、滞納に気づいた時点で税務署へ相談し、換価の猶予や納税の猶予の活用を検討します。

早期の行動が会社を守る最善の手段となるでしょう。

法人税を納付できず困っている場合は、早めに税金の専門家である税理士に相談することをおすすめします。

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